言葉と心のおりなすものが「書」であるなら
「書」を知ることは「人」を知ることだと言えます
書という芸術、伝統や文化を理解するための入り口となる書道I 。
教科書に蒔かれた興味の種を、どんな小さなものでもいいから自分で見つけ、
大事に育てていいってほしい、そんなことを願ってこの二冊を作りました。
「書は人とともにある」ということのリアリティを感じてほしい。
漢字や仮名を生んだ先人たちも、今を生きる私たちも、
文字や言葉とともに生きています。
「書」は、人が生きて暮らすリアルな姿の証です。
書は人なり
顔真卿を例に、書と人、心の関係について考えてほしいページです。
●『書Ⅰ』 32〜33ページ

漢字の五つの書体はそれぞれ、たくさんの人の手と時間を経て成立したということを実感してほしいページです。
●『書Ⅰ』 12〜13ページ

「初めて知るよろこび」にたくさん出逢ってほしい。
初めて知ることはもちろん、すでに知っていたことでも
切り口が変わることで、初めてのように感じられることがあります。
この教科書には、そんな未知の世界が広がっています。
中学書写とはまったく別世界・書道。高校生の知りたい意欲に応えます。
●『書Ⅰ』 102〜103ページ

古典を知るには、古人に想いを馳せる想像力と、多面的・多角的な探究心が必要です。
●『書Ⅰ』 74〜75ページ

「腑におちて納得する体験」を重ねてほしい
「腑におちて納得する体験」を重ねてほしい
「なるほど、そうか。」と腑におちて納得すること。
それこそが、知識や技能を、理解し身につけるということであり、
次に生かすための大切な体験なのです。
目でみて味わい、頭で考え、実際に手を動かして書く。どれも等しく大切な学習です。
●『書Ⅰプライマリーブック』 10〜11ページ

古典と同じ料紙に臨むと、半紙の時には気づかなかったものを感じることでしょう。
●『書Ⅰプライマリーブック』36〜37ページ

「言葉」、「心」と向き合ってほしい。
SNSが普及する今、手で言葉を書く何倍もの速さで言葉を打つ毎日。
そんな時代だからこそ、「書く」際に改めて、
「言葉」、「心」と向き合い、「表現とは何か」を考えてほしいと願います。
言葉を書くのが「書」であるのなら、自身の内面と向き合い、解釈と表現が融合することを目指し貪欲に試作をくり返す、それこそが、自分自身の表現にたどり着くための道筋といえるのではないでしょうか。
●『書Ⅰ』 86〜87ページ
●『書Ⅰプライマリーブック』 44〜45ページ


等身大の表現者であり鑑賞者であってほしい。
まっすぐに物を見る、心に素直に表現する。
個性とは、出すものではなく、自然に出てしまうもの。
等身大の自分であること、それが芸術のスタートラインです。
自分の中から湧きあがるものを、無理せず、出し切り、楽しむ。創作とは、そんな風に自分と向き合う孤独な作業なのではないでしょうか。
●『書Ⅰプライマリーブック』 38〜39ページ

予備知識なしでの鑑賞と、先に知識を得てからの鑑賞。どちらであっても、その時見えたもの・感じたもの、それが等身大の自分です。
●『書Ⅰ』104〜105ページ

二冊で体験できること
紙面や図版や資料があふれんばかりの『書Ⅰ』、
これは外せない内容がコンパクトに詰まった『書Ⅰプライマリーブック』。 単体でも二冊併用でも、わくわくするような面白い授業が展開できます。
どこからでも始められどこまでも広げられる学習展開
書道Ⅰの学習がどこからでも始められ、知識や技能をどこまでも広げたり
深めることができることを、楷書の学習を事例に紹介します。たとえば、
孔子廟堂碑と九成宮醴泉銘の学習を例にあげると
二冊の教科書のさまざまな観点や視点のページが、楷書古典の臨書へといざないます。

学びの森で得た知識や技能を携え、臨書へ!各古典の特徴がよく現れた文字を、鮮明で大きな図版で臨書することができます。
各古典の解説は、図版を際立たせるため
『書Ⅰプライマリーブック』には記載せず、
『書Ⅰ』に詳しく掲載しました。

鑑賞するとともに、同じ文字どうしを比較することで、さらに鑑賞を深めます。

各学校の実態にあわせ、『書Ⅰプライマリーブック』での鑑賞を補完したり、発展的な知識を得るものとして活用いただけます。

鑑賞のまとめページです。

表現のまとめとなるページです。

考え抜かれた造本設計による高い利便性
二冊それぞれが、充実した内容と三つの工夫された造本設計により、現場の実態にフレキシブルに対応します。
表現中心の『書Ⅰプライマリーブック』、鑑賞中心の『書Ⅰ』。単体でも併用でも、さまざまなスタイルの授業に対応する画期的な二冊組です。

『書Ⅰ』の巻頭に『書Ⅰプライマリーブック』がぴったりとおさまります。

『書Ⅰプライマリーブック』は、中綴じ製本という半分に折りたたみやすい造本なので、コンパクトで臨書に最適です。


「学びのみちしるべ」による二冊のスムーズな往還
「学びのみちしるべ」による二冊のスムーズな往還
三つのマークとイラストによる「学びの道しるべ」たちが、
二冊の教科書の往還や立体的な学習を手助けします。
学習内容が関連しているページ、参照してほしい用語解説など、教科書全体を有機的に結んだり、横断的に活用することができるマークです。

『書Ⅰプライマリーブック』だけにあるマークで、『書Ⅰ』とのの関連ページを示しています。
『書Ⅰプライマリーブック』は表現の学習に重点を置いているため、その内容を補足し学びを深める古典の解説や詳細な資料を『書Ⅰ』に掲載しています。

QRコードにタブレットやスマートフォンをかざしてアクセスしたwebページに、情報が掲載されているマークです。
基本用筆や篆刻の画像、美術館・博物館のホームページURL等の情報にアクセスできます。

疑問を感じやすい内容や、興味深い図版、気になる資料のまわりに登場します。
監修者・編修者
監修者
- 著作者
- 澤田 雅弘 前大東文化大学教授
- 辻元 大雲 書道芸術院顧問
- 土橋 靖子 日展理事
- 名児 耶明 筆の里公房副館長・元五島美術館副館長
- 福井 淳也 帝京大学准教授
編修者
- 荒井 一浩 東京学芸大学付属高等学校教論
- 大野 幸子 桜蔭中学校高等学校講師
- 国定 貢 群馬県立高崎工業高等学校教論
- 後藤 浩 千葉県立成田東高等学校
- 鈴木 幸子 元千葉県立高等学校教論
- 五月女 章子 栃木県立宇都宮高等学校教論
- 松尾 治 専修大学准教授
教師用指導書

書Ⅰ・書Ⅰプライマリーブック 教師用指導書セット
- ISBN
- 978-4-87730-464-5
- 定価
- 18,700円(税抜17,000円)
【指導書セットに含まれる内容】
①教師用指導資料1冊
②サポートDVD-ROM1枚
教科書紙面データ(PDF)
教科書本文データ(WORD)
準拠シラバス
評価規準例
評価ワークシート集
鑑賞学習用映像教材(篆刻 , 拓本の採り方)
指導者用デジタル教科書指導用デジタル教科書(教材)みらいスクールプラットフォーム
よくある質問
- Q 教科書の準拠ノートの見本はありますか。
-
A
各教科書の紹介ページに掲載しています。見本をご希望ノートの場合は、「お問い合わせフォーム」からお知らせください。
- Q 年間指導計画案などの資料はありますか。
-
A
各教科書の紹介ページ、もしくは、「サポート資料ダウンロード」ページからダウンロードできます。
- Q 教師用指導書の更新データはありますか。
-
A
教師用指導書を採用した学校のみ、「教師用指導書 更新資料等 申請フォーム」から申請すれば、更新データをダウンロードできます。
- Q 教科書はどこで買えますか。
-
A
教科書や教師用指導書の購入については、各都道府県の教科書供給会社(特約供給所)や教科書取扱書店(取次供給所)へお問い合わせください。
https://www.text-kyoukyuu.or.jp/gaiyou.html#kounyuu