「書は人とともにある」ということのリアリティを感じてほしい。
名家も名もなき先人たちも、どの時代の人々も皆、書いていたのは「私の書」。さまざまな古典や名筆にふれながら、人々の生きた証を実感してください。
書にも人にも興味を
人にはさまざまな面があります。それと同じように、同じ人が書いた書でも、年代や心境など、置かれた環境やでき事などにより、さまざまな表現があります。
●『書Ⅲ』28〜29ページ
「初めて知るよろこび」にたくさん出逢ってほしい。
未知のことだけではなく、既知のことも、視点や観点、方向を変えて見たり考えたりすると、新たな発見があります。
書を他教科という横軸から見てみる
平安時代の貴族たちが、自身の勉強のため、また、大切な人への贈り物として、「古今和歌集」などの和歌集を美しい料紙に書き写したことで、私たちは千年以上前の人々の、心情や日常生活に触れることができるのです。
●『書Ⅲ』38〜39ページ
「腑におちて納得する体験」を重ねてほしい。
どんな名家も、私たちと同じように、日々の生活の中から制作のきっかけを見つけたり、古典に学んでさまざまな技法を習得したり、表現の気づきを得ていました。そんな当たり前とも思えることに気づくことで、胸につかえていたものが、ある時ストンと自分の中に落ちる瞬間がやってきます。
●『書Ⅲ』8〜9ページ

「言葉」、「心」と向き合ってほしい。
書は、わずかな時間と一回の運動で生まれる表現です。しかし、表現に至るまでの心の動きや、思いによって言葉が紡ぎ出されるまでの時間は、容易に測ることはできません。書と向き合うことは、心や言葉と向き合うこと。タブレットやキーボードではなく、自身の手で文字を言葉を書くことの意味を、今一度考えて欲しいと願います。
書は時空を超えて言葉を運ぶ
人の思いが言葉となり、言葉は人の手によって書という形になります。そしてその書は、時空を超えて新たな人の思いへと繋がり、さらには文化となって、私たちの心を潤し続けているのです。
●『書Ⅲ』34〜35ページ
等身大の表現者であり鑑賞者であってほしい。
昨日の自分と今日の自分が同じではないように、書を前にした時に見えることや感じることは、自分同様変化します。今自分に見えること、今自分が感じること、それは今のあなたを支える美意識であり感性です。
見えるものを一つずつ増やす
書という表現に少しずつ触れ、変化していく自分の美意識や感性を楽しみながら、書の鑑賞や創作の道を歩んでいきましょう。
●『書Ⅲ』60〜61ページ
監修者・編修者
監修者
- 著作者
- 澤田 雅弘 前大東文化大学教授
- 辻元 大雲 書道芸術院顧問
- 土橋 靖子 日展理事
- 名児 耶明 筆の里公房副館長・元五島美術館副館長
- 福井 淳也 帝京大学准教授
編修者
- 荒井 一浩 東京学芸大学付属高等学校教論
- 大野 幸子 桜蔭中学校高等学校講師
- 国定 貢 群馬県立高崎工業高等学校教論
- 後藤 浩 千葉県立成田東高等学校
- 鈴木 幸子 元千葉県立高等学校教論
- 五月女 章子 栃木県立宇都宮高等学校教論
- 松尾 治 専修大学准教授
教師用指導書
よくある質問
- Q 年間指導計画案などの資料はありますか。
-
A
各教科書の紹介ページ、もしくは、「サポート資料ダウンロード」ページからダウンロードできます。
- Q 教科書はどこで買えますか。
-
A
教科書や教師用指導書の購入については、各都道府県の教科書供給会社(特約供給所)や教科書取扱書店(取次供給所)へお問い合わせください。
https://www.text-kyoukyuu.or.jp/gaiyou.html#kounyuu