パソコンを活用した楷書の授業について

大竹 泰世(茨城県立 岩井西高等学校講師)

一、はじめに
 本校は現在芸術選択(音楽・美術・書道択一)として、一年次から三年次までの三年間履修することができる。そのため、情報処理の授業があり、機械操作に慣れている、三年生を対象に行ってみた。平常毛筆による書道が、機械的に扱うとどうなるのか、また、日頃馴染みあるパソコンを使用することにより、新たなる興味、関心、技術の発展へとつなげていきたい。
二、実践例
(一)導入
一年次に学習した楷書の確認、次にプリントをもとにし、ソフトの内容説明
(二)展開
コンピュータを起動させ、CDの画面が出てくるのを待つ。(全員がこの状態になるまで)
作 業 生徒の反応
1.先ず「九成宮醴泉銘」のクリックを指示。
  • ここで、操作説明を行い「書例づくり」に入る。
  • 作品の中から好きな文字をレイアウト、拡大、縮小をしてみる。
  • 基本点画の操作
    「お手本モード」
    「チャレンジモード」


→最初は、どうしても文字を重ねてしまう。操作を重ねるうちに文字の移動、大きさ、レイアウトなどの工夫が見られる。


→画面上の筆が動くので、かなり凝視している生徒もいた。
→指定の点画のみの動きのため、自在にマウスを動かせずに困っている生徒がいた
(自分の好きな運筆ができると誤解)。
2.具体的な作品から、その歴史的背景、また、基本的な書道知識を確認する。
・「書へのいざない」
 歴史的背景、書法を改めて学習する。ここは各自自由に項目をクリックして進ませる。
・「チェックシート」
 第一問から第十問まで行う。


→音による解説も有るので、よく聞いていた。


→ほとんどの生徒が興味を持って取り組んでいた。その場で、正解がわかるのも、よかったようだ。
3.まとめ
「九成宮醴泉銘」の項目を書写してみる。また、他の楷書の作品、書家もチェックしてみる。

→書写するには、文字が小さくやや困難かと思われた。
<漢字の書・創作> <漢字の書・鑑賞> 「書例づくり教室」の主に古典別 漢字字典を用いた創作イメージづくり・鑑賞指導
☆パソコンによる書道アンケート結果
(数字上は男子)
設 問 わかりやすい
(よい)
まあまあ わかりにくい
1授業について 18
10
17
13
2
0
2検索方法について 8
5
27
17
3
0
3内容について
  a資料

  b筆順
15
10

13
8
16
12

23
15
1
1

1
0
4教科書と比べて
(ここは特に男女分けなかった)
わかりやすい、おもしろい、ゲーム感覚で楽しい、カラーでいい(42)
どちらでも(何ともいえない)(5)
むずかしい、教科書の方がいい(3)
字が小さい、見づらい(2)

三、おわりに
 ソフトの説明、演習、プリントのまとめと、書道とパソコンとの結びつけた授業を一時間で行った。生徒の関心は、かなり高く、普段は、教科書をもとに自分の目と手を頼りに臨書しているが、パソコンを起動させて、直ぐに中国古典の世界へと入っていけるというこの教材は、何よりも興味深く取り組めたように感じられる。ただ、環境面で、コンピュータ室を借用するため、担当の先生との授業配分の考慮、管理責任上の問題が残った。また、アンケート結果のように、やはり機械操作のみの授業では、まだまだの感もある。次回は、指導内容を特定し、パソコンと毛筆が連動できるような形に運びたい。暗中模索の授業展開だった。先生方からのご指導をいただければ幸いである。
(「芸術科書道情報 No.31」掲載)


(c) 2003 Kyoiku-tosho,Co.,Ltd All right reserved


|戻る|