露木志奈さん ロングバージョンインタビュー

(C) Wataru Kitao
環境活動家/社会起業家
露木志奈さん
2001年生まれ、神奈川県出身。高校3年間をインドネシア・バリ島のインターナショナルスクールで過ごす。社会・環境問題に関する講演活動や、オーガニック化粧品の開発などを手がけている。
社会を変えるのにおとなになるまで待たなくていい
Q1仕事の内容を教えてください
環境活動家として、全国の学校を回って社会・環境問題に関する講演活動と、SNSを活用した情報発信をしています。

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SNSでは、社会・環境問題に対してまだ興味・関心をもてていない人たちに向けて、問題提起だけでなく解決策を1分くらいのショート動画で紹介しています。
もう一つ、自分のブランドを立ち上げ、社会・環境問題の解決を目指す化粧品の開発をしています。

Q2この仕事を選んだ経緯やきっかけを教えてください
高校3年間を、インドネシア・バリ島にある環境教育に力を入れているインターナショナルスクールで過ごしました。
そのときに、肌が弱い妹のために「人と環境にやさしい口紅」を開発した経験が、今の私の原点になっています。

元々化粧品は大好きだったのですが、実際に自分でものづくりをしてみると、商品を生産する背景には、熱帯林の破壊やごみの大量廃棄など、さまざまな社会・環境問題が絡んでいて、それが深刻な状況であることに気がつきました。
日本に帰国して、ペットボトルやビニール袋などのプラスチックが生活の一部として大量に消費されている現状を、改めて目のあたりにしたときはショックでした。
ですが、「社会・環境問題について関心が薄い人たちは悪意があるわけではなく、ただ学習する機会がなかっただけなのでは?それなら私が情報を届けよう!」と思い、すぐに講演活動を始めました。
2年間かけて、220校以上の学校の生徒さんたちと会っていろいろな話をしました。

Q3この仕事に必要なスキルや資質は何だと思いますか?
環境活動家として必要なスキルは「自分を信じる力」です。
新しいことに挑戦するのは怖いですし、最初は誰も信じてくれないかもしれません。
しかし、自分ならできると信じることで道が開けます。
商品開発者として必要なスキルは、「周りを気にしないこと」です。
私の場合、化粧品を生産してほしいと工場へ連絡しても、大学生だとわかると話をきいてもらえませんでした。
実際のところ、40社にメールを送っても、返事が来たのは3社だけでした。
しかし、断られるのが当たり前だと思っていたので、あきらめずに前に進むことができました。
Q4仕事ではどのような苦労をしましたか?
化粧品の開発が「本当に意味のあること」なのか、それを見つけるのが大変でした。
商品開発では、生産から廃棄までの過程で多くの問題があります。
たとえば、環境負荷や児童労働、動物実験などです。
環境に負荷をかけないものづくりを心がけても、二酸化炭素は排出されてしまいますよね。
この課題の解決に向けて、新たな取り組みを続けていかなければならないと感じています。
完璧な商品は存在しません。
しかし、課題があるからこそ、次の挑戦が楽しみになるんです。
Q5露木さんにとって「ウェルビーイング」とは?
私にとっての「ウェルビーイング」とは、個性を尊重することです。
たとえば、バリ島に住んでいたころ、路上生活で困窮している人たちに対して、社会・環境問題について話をしても、理解してもらうのは難しいと感じました。
なぜなら、まず、生活の基礎である衣食住が十分になって、自分らしく生きていけるようになったら、ようやく未来について考える余裕ができるのだと思います。
それはつまり、みんなが自分らしく生きることが「ウェルビーイング」を実現し、そしてそれが社会・環境問題の解決につながると考えられないでしょうか。

Q6高校生の皆さんへメッセージをお願いします!
もし「自分もなにかアクションを起こしたい!」という想いがあるなら、まず、自分が好きなものと、それが社会・環境問題とどのように関係しているのか、調べてみるのがいいのではないでしょうか。
また、教科書を読んで学ぶことも大切ですが、自分の五感をつかっていろいろなことを実際に体験してみることが最も効果的だと思います。
これはインターナショナルスクール時代の友人からインスピレーションを受けた言葉なのですが、「社会を変えるのにおとなになるまで待たなくていい」というメッセージを皆さんに贈りたいと思います。
私が化粧品の開発を始めたのは15歳、環境活動家として講演を始めたのは19歳のときです。
なにかを始めるのに年齢は関係ないと思います。

(C) Zissou
▼露木さんのある日のおもなスケジュール
