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応援コラム NEWS

【応援コラム・家庭分野】6月7日は何の日?

突然ですが、「6月7日」は何の日でしょうか?

 

 

 

答えは「世界食品安全の日」でした!
2018年12月20日に、国際連合が「持続可能な開発目標」(SDGs)の達成のために定めました。

 

食品の安全性にはさまざまな課題があり、厚生労働省の資料では次のように述べられています(抜粋)。

①世界では毎年、10人に1人が汚染された食品が原因で病気になっています。そのことは、全ての国に影響を与えます。

②200を超える疾病が、細菌、ウイルス、寄生虫あるいは重金属のような化学物質により汚染された食品を食べることで引き起こされています。

③5歳未満の子供は、人口の9%に当たりますが、食品由来疾病負荷の40%を占めています。そして、安全でない食品を原因とする栄養不良や死亡の高いリスクにさらされています。

④食品安全上問題となる出来事は、食品由来疾病により引き起こされるものばかりではありません。食品汚染につながる、あるいは食品安全の管理を破綻させる、停電や洪水のような予期せぬ出来事が原因になることがあります。

参考:2024年6月7日 世界食品安全の日 コミュニケーションツールキット 食品安全:予期せぬ事態に備えましょう(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/001255852.pdf

 

国内でも、これまで食品に関するさまざまな健康被害が発生してきました。
最近では、とある機能性表示食品による健康被害が報じられました。

近年の日本の健康被害と、食品の安全性を高めるための施策

参考:LIFE おとなガイドデジタル+

 

日本では、このような健康被害を防ぎ、食品の安全性を高めるために、食品安全基本法の制定に伴う食品安全委員会の設置や、食品表示法の制定による食品表示基準の策定をはじめとする施策が講じられてきました。
生産者、加工・流通業者、販売業者は、食品の安全性を保つため、さまざまな基準をクリアすることが求められています。

一方で、食品を購入する消費者自身も、食品の安全性について考えながら食品を選択する必要があります。
では、今の中学生は「食品の安全性」についてどのような意識を持っているでしょうか。

2022年に発表された調査では、中学生の6割強が食の安全性について関心をもっており、そのうち「食品添加物」や「産地や材料」、「保存期間」などへの関心が高いことがわかりました。

参考:「〜東京近郊の小中学生400人に聞く〜【第4回】子どもの食生活の意識と実態調査 2022年」(農林中央金庫)
https://www.nochubank.or.jp/efforts/pdf/research_2022_02.pdf

 

中学家庭分野の食生活「食品の選択と購入」では、健康や、食品の安全性などを考えながら、適切に食品を選ぶことの重要性について学びます。
授業では、生鮮食品の表示から原産地などの生産履歴を調べたり、加工食品の表示から原材料やアレルギーなどの情報を読み取ったりすることで、安全性を考えながら食品を選択するための基礎知識を身につけることができるでしょう。

 

また、食品安全委員会が中学生向けに発行している以下の教材をあわせて使用するのもよいですね。

参考:中学校技術家庭用副読本 科学の目で見る食品安全(内閣府食品安全委員会)
https://www.fsc.go.jp/kids-box/index.data/2017.4.14kagakunome.pdf