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中学校家庭分野で扱う1日分の「献立作成」。先生方からは、「記入量が多く、時間がかかる」「計算させるのも大 変」というお声を伺う場面が少なからずあります。この問題を解決する献立アプリ「ミルミル献立計画」を、使用し ていただいている公立中学校の先生の授業実践事例をご紹介します。
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ミルミル献立計画は、「見る×Meal」をコンセプトに、細かい栄養計算ではなく、「普段食べているものを、どのような組み合わせにすると良いのか」を視覚的に捉え、食事バランスの感覚を養うことを目的にした献立シミュレーションアプリ。インストール、ダウンロード、アップデート作業はすべて不要。パソコンでもタブレットでも、学校でも家でも必要な時にすぐに始められます。
料理も食品もすべて写真を使用し、生徒が見て選べるものになっており、直感的な操作で料理選択から保存、提出まで、説明なしでも使えます。
デジタル教材を使用する前は献立カードを班に 配りそのカードを参考にしながら、献立づくりをしていました。しかし、班の誰かが使っているとノー トへの記入が終わるのを待たないといけない、学校の備品であるため時間内に終わらなかった子が 家で宿題として取り組めない等の問題がありました。料理の作り方や使用食材のグラム数が書いてあって便利な反面、記入量の多さに不便さも感じていました。また、班活動ができない時期は献立カー ドがクラス人数分用意できないので、献立づくり の課題をすべて宿題にすることもありました。
現在はインターネットやアプリケーションの普及 で簡単に料理の作り方や材料が分かる時代なので、栄養バランスに重点を置いた授業をするには とても便利な教材だと思います。また、タブレットの中で課題の取り組みや提出が完了するので、オンラインで授業を受けている生徒でも取り組みやすいところもいいところだと思いました。
教師用の管理画面では、生徒の提出状況を一覧で把握できて一括管理しやすいと思いました。
生徒の提出物は、献立の内容、栄養バランス、工夫点・改善点を1つの画面ですべて確認できるので見やすくわかりやすいと思いました。
1学期で衣食住の生活(食生活)の学習にあたり ミルミル献立計画を1食分の献立作成で活用します。 また、夏休みには、地域主催の「朝ごはんの献立を作成するコンテスト」と関連させて1食分の献立 作成で使用し、2学期では、食生活分野のまとめと して1日分(3食分)の献立作成に取り組みます。
ミルミル献立計画は、今までワークノートやワークシートに記入させていた献立づくりを、タブレットを活用しながら食への学びを楽しくより深いものにしたいと思って導入しました。1学期の使用は献立づくりにつながる第一段階として、教員側から年齢・身体活動レベル・献立づくり に使う料理の種類を指定し、生徒自身にとって1食に食べた方がよい食事の量や指定した料理の足りない部分を補うにはどのような料理を組み合わせたらいいのかを考えさせました。指定する料理はなるべく生徒が身近なものが想像しやすいのではないかと考え、「主食をカレーにしてください」、「主食を丼ものにしてください」、「主食をパスタにしてください」など、生徒の学びに向かう様子に合わせました。この取り組みの評価方法としては、指定した料理を栄養バランスのよい1食分の食事に近づけることができたかどうかを知識・技能で評価し、工夫点の内容やどのように料理を組み合わせたかを思考・判断・表現で評価しました。例えば、あるお弁当の写真を授業の導入として掲示し、クラス全体で栄養バランスについて考えて意見を出してもらってから、ミルミル献立計画へ作業を移行すると関心を持ってもらいやすかったです。
とても集中して取り組んでいました。タブレット操作はすぐに習得し、いろいろな料理を組み合わせて栄養バランスのよい料理の組み合わせを探っているようでした。授業内では、ログイン方法や操作方法の説明もするので時間内に終わる生徒は少ないのですが、関心をもって取り組んでくれているのが伝わってくるので宿題にしても提出率はよかったです。授業終わりには、またミルミル献立計画を使用した授業を受けたいと声をかけにきてくれる生徒が多くいました。
生徒の提出物をPDFにすることができるので、 特に栄養バランスについての理解が深い提出物は校内作品展や区展に展示したいです。調理実習時の配膳バランスは生徒にとって少し難しいところがあるので、実現はもう少し先になりそうですが、家庭科の授業でタブレットを使用した効率のよい学習として保護者の方にも知ってもらえる機会になるのではないかと思います。
自分の生活をよりよくしていくために必要な知識・ 技術の習得が教科において大切になっていくと考えています。便利なものを上手に活用し、生活を豊かにしていくことを伝えるにはICT教材の活用が欠かせないと思います。また、家庭科は学校で学んだことを家庭でくり返し実践してこそだと考えるので、「難しい」「覚えることが多い」ではなく、「思ったより簡単」「自分でもできる」を増やして自信につなげてほしいと思います。
ミルミル献立計画