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将来の住まいをどのように設計したいか、考えたことはありますか?
茨城県立結城第二高等学校の菅谷先生(取材時は茨城県立古河第二高等学校)は、生徒たちにこの問いを投げかけ、デジタル平面計画を使って理想の住まいを設計する授業を行っています。この授業では、生徒たちが自分の将来の家族構成や生活スタイルを具体的に考え、3LDKの間取りを設計することで、住まいに対する理解を深めることを目指しています。
本記事では、菅谷先生の授業の進め方や評価方法、生徒たちの作品例を詳しく紹介します。さらに、デジタル平面計画を使った授業の感想や改善点についても触れていきます。将来の住まいを考えることで、どのような発見があるのか、一緒に見ていきましょう。
目次
①基本事項の確認
授業の最初に、空間の構成や間取り、平面図記号について学習します。授業プリントや教科書、資料集を使い、基礎的な知識を確認します。この部分は授業の前半30分程度を使って行います。
②デジタル平面計画の説明
基礎知識の確認が終わったら、デジタル平面計画についての説明を行います。まず、課題の提示を行い、「将来の間取りを考えよう」というテーマで3LDKの間取りを設計することを説明します。
課題のテーマ
タイトル:「将来の間取りを考えよう」
内容: デジタル平面計画を使って、自分の理想の住まいを設計します。生徒は自分が将来の親になった時を想定して間取りを考えます。
条件の提示:間取り: 3LDK(リビング・ダイニング・キッチンと3つの部屋)で設計します。マンションやアパートの賃貸物件を想定します。
家族構成:夫婦2人と子供1人以上を設定します。子供の人数は1人以上であれば自由です。また、ペット(猫や犬)も設定可能です
③ワークシートの配布と記入
デジタル平面計画を注文すると付属のワークシートが届きます。ワークシートには、学年、クラス、番号、氏名を記入する欄があります。生徒は自分のログインIDとパスワードを確認し、ワークシートに記入します。裏面には家族構成や生活スタイルを記入する欄と、間取りの下書きを行うスペースがあります。
ログインと準備: 生徒は事前に配布されたワークシートをもとに、デジタル平面計画にログインします。ログイン後、氏名を入力し、デジタル平面計画の画面に進みます。全員がログインと氏名の入力を完了したら、次のステップに進みます。
操作方法の説明:操作方法はデジタル平面計画のページにある説明動画を使って行います。動画を再生しながら、生徒は操作方法を学びます。必要に応じて、動画を一時停止して追加の説明を行います。動画の内容には、基本的な操作方法や間取りを考える際の注意事項が含まれています。
間取りの作成:生徒は「新しく作る」ボタンをクリックし、3LDKの間取りを選択して作成を開始します。家族構成や生活スタイルを入力し、間取りを具体的に作成していきます。作成中にわからないことがあれば、教員がサポートします。また、教室の前方に参考資料や間取りの例を表示し、生徒が確認できるようにします。
提出: 作成が完了したら、右上の「機能」ボタンをクリックし、「提出する」を選択します。感想を記入する欄が表示されるので、200文字以上で感想や工夫点、アピールポイントを記入します。提出が完了したら、教員が確認し、コメントを入力します。
班分けと準備:生徒は5~6人の班に分かれます。各自のタブレットを用意し、デジタル平面計画にログインして自分の間取りを表示します。発表の順番を決め、発表時間を3分、質問時間を1分、感想記入時間を1分とします。教員がタイムキーパーとなり、時間を管理します。
発表:各生徒は自分の間取りを班のメンバーに向けて発表します。発表内容には、間取りの特徴や工夫点、家族構成の設定理由などが含まれます。発表後、他のメンバーからの質問に答えます。質問内容は、間取りの具体的な部分や工夫点についてなどです。
感想記入:発表が終わったら、班のメンバーは発表を聞いて自分が一番住みたいと思った家を選び、その理由を記入します。また、全体の感想や他のメンバーの間取りについての意見も記入します。
まとめ:全員の発表が終わったら、教員がまとめとして、各班の発表内容や感想を共有します。生徒は他のメンバーの意見を聞き、自分の間取りについてのフィードバックを受けます。
評価は10項目に基づき、ABCで評価されます。
ウォークインクローゼットが大きい家
特徴:この家の最大の特徴は、大きなウォークインクローゼットです。収納スペースが豊富で、家族全員の衣類や荷物を十分に収納できます。
照明の配置:照明の位置まで細かく配置されており、各部屋が明るく快適に保たれています。特にリビングやダイニングなど、家族が集まる場所には十分な照明が設置されています。
家具の配置:実際の家具を想定した配置がされており、生活動線を考慮したレイアウトになっています。例えば、ソファやダイニングテーブルの位置が適切に配置されており、家族が快適に過ごせるよう工夫されています。
広い玄関とベランダが特徴の家
特徴:広い玄関とベランダがこの家の特徴です。玄関は広々としており、来客を迎えるのに十分なスペースがあります。
ベランダの工夫:ベランダには物干し竿が設置されており、洗濯物を干すスペースが確保されています。また、花壇も設置されており、家庭菜園やガーデニングを楽しむことができます。
リビングとダイニングの仕切り:リビングとダイニングはパーテーションで仕切られており、必要に応じて開閉することができます。これにより、家族のプライバシーを保ちながらも、開放的な空間を作り出すことができます。
廊下を極力排除した家
特徴:廊下を極力排除し、家族とのコミュニケーションを重視した設計です。玄関からまっすぐ家族と顔を合わせることができるようになっています。
家族との時間を大切に:各部屋に行くためには必ずリビングを通る設計になっており、家族が自然と顔を合わせる機会が増えます。これにより、家族の絆を深めることができます。
オープンな空間:リビングやダイニングはオープンな空間として設計されており、家族全員が一緒に過ごす時間を大切にしています。
個人の時間を大切にした家
特徴:各部屋が廊下からしか行けないように設計されており、個人の時間を大切にする家です。リビングでは家族の時間を過ごし、各部屋では個人の時間を確保できます。
広い水回り:トイレやお風呂が広めに設計されており、快適なバスタイムを楽しむことができます。特にお風呂は広く、リラックスできる空間となっています。
収納スペース:各部屋に十分な収納スペースが設けられており、個人の荷物をしっかりと収納できます。これにより、部屋がすっきりと片付き、快適な生活空間が保たれます。
生徒たちは、自分の将来の家族構成や生活スタイルを具体的に考え、3LDKの間取りを設計することで、住まいに対する理解を深めることができました。また、発表会を通じて他の生徒のアイデアや工夫を共有し、互いに刺激を受けることができました。
この授業を通じて、生徒たちは将来の住まいについて考えるだけでなく、家族との生活やコミュニケーションの大切さについても学ぶことができました。デジタル平面計画を活用することで、実際の設計プロセスを体験し、創造力や計画力を養うことができたと思います。
今後もこのような実践的な授業を通じて、生徒たちが自分の将来について考える機会を提供していきたいと思います。
菅谷先生、ありがとうございました!
デジタル平面計画
生徒用 550円(税込)
1人=1ライセンス
ご利用可能期間:年度単位(ご利用開始から3月31日まで)
商品内容
・ライセンス証書(ご利用許可証)
・ライセンスCD(生徒用ログインID一覧)
・生徒用ワークシート(×ご注文数)
※ご注文時に4群スタンダード、6群スタンダードをご指定ください
※初回ご利用時には、教師用ライセンス(5,500円税込)もご購入ください。