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こちらの記事はてくテクVOL.14より加筆、修正を加えたものです。
高等学校の住生活分野で、デジタル平面計画をどのように活用されているのか?実践事例について神奈川県立市ヶ尾高等学校にて家庭科の指導やキャリア支援教育にあたっている濱中陽子先生にお伺いしました。
目次
本校では、家庭基礎を第2学年で履修します。 3学期には食生活分野で「災害時にはどんな食事が考えられる?」という授業を行います。その流れで、「では災害に強い住宅は?」と住生活分野に入ります。地域の助け合いとか、街づくり、また日本の気候に応じた住宅文化、世界の住宅にも触れます。そして「住まいの計画」に入ります。 「ライフステージと住まい」では、高校卒業後、大学生や社会人で一人暮らしをすること、そこで給与明細の見方、一人暮らしにはどれくらいお金 がかかるか等経済についても触れます。
グループディスカッションでは、「一人暮らしをするなら、どんな物件がいい?」「どういう家が理想?」について議論します。そこでデジタル平面計画につなげていきます。まずはアプリを使って練習を行います。設定は「ワンルーム」。「採光」と「食寝分離」は必ず考慮することとします。この課題についてフィードバックして次が本番です。課題は「20年後の自分の住まい」です。1学期に「生活設計」でマンダラチャートを活用しますが、そこでは、どんな仕事をしているのか、年収はいくらなのか、家族は何人なのか、どこに住むか、を決めています。その目標とする家庭環境を踏まえて「ではどういう家を設計するか」に挑戦します。設計自体はデジタルを使う前に、まずフリーハンドでマス目の紙に下書きをします。生徒はこだわりがあるので時間がかかります。その後、自身の生活スタイルや何が必要なのかをしっかり考えて、アプリを使って製作していきます。
「デジタル平面計画」を活用することで、生徒とのやり取りがスムーズになりました。生徒にとっても提出が簡単で、こちらのアドバイスもデジタル上で行えます。生徒が取り組んでいる間に机間巡視をしますが、製作している途中のものを生徒画面で確認しやすいです。また、製作後には、スライドを用いて自分の設計した家とテーマ設定を、クラス全員にプレゼンします。それぞれいい面もあれば、テーブルの大きさや人の動線など、改善の余地もあるのでフィードバックをします。人によって海外での生活を夢みている生徒もいるので、色々な話でとても盛り上がります。
評価としては、「知識・技能」は、デザインそのもの、設計ができているか、「思考・判断・表現」は、住要求をしっかり考えられているか、「主体的に学習に取り組む態度」は提出状況などで見取ります。今後の展開として、製作後のプレゼンのあと、 「どの物件だったら買いたいと思うか」に取り組んでみたいと思います。濱中先生より、ご自身が高校生時の家庭科の授業で「住みたい家」を設計され、実際その家を実現されたとお聞きしました。そのご経験が今 の授業につながっているのだと感じました。また、家庭科室の前の掲示板に掲示されているポップがとても素敵でした。先輩から後輩に向けて、「家庭科の授業で最も印象に残ったこと」や「家庭科 で学んだこと」が一言で伝えられていました。
デジタル平面計画
生徒用 550円(税込)
1人=1ライセンス
ご利用可能期間:年度単位(ご利用開始から3月31日まで)
商品内容
・ライセンス証書(ご利用許可証)
・ライセンスCD(生徒用ログインID一覧)
・生徒用ワークシート(×ご注文数)
※ご注文時に4群スタンダード、6群スタンダードをご指定ください
※初回ご利用時には、教師用ライセンス(5,500円税込)もご購入ください。