社会で活きるコミュニケーションマナー教育

高校家庭

変化の激しい現代社会において、多様な人々と協働しながら自らの考えを伝える「コミュニケーション力」の重要性はますます高まっています。しかし、いざ社会に出たときに問われるのは、単に「話せる」ことだけではありません。相手を尊重し、時と場合に応じた適切な振る舞いができる「マナー」が伴ってこそ、そのコミュニケーション力は社会で通用する本物の武器になります。
とはいえ、学校生活のなかで社会人としての実践的なマナーを身につけるのは容易なことではありません。

そこで今回は、中学1年から高校3年までの総合的な探究の時間「凛花(りんか)活動」を通じて、先進的なアクティブラーニングを展開されている大谷中学校・高等学校(凛花コース)の溝先生にお話を伺いました。「コミュニケーションマナー検定」を授業に取り入れた理由や、教員役を生徒が務めるユニークな授業の実践、そして卒業生や保護者から寄せられた感謝や喜びの声まで、社会で活きる人間力を育む教育のヒントに迫ります。

◆本校の授業の特徴 

●学習の集大成を「資格」に残す

本校では、中学1年生から高校3年生まで、いわゆる総合的な探究の時間を「凛花活動」と呼んでおり、フィールドワークなどの授業をずっと行っています。この授業ではグループワークを多用しており、コミュニケーション能力を育むことを入学説明会などでもアピールしています。高校3年生で15時限使ってマナーの学習を行い、その集大成として「コミュニケーションマナー検定」を導入したのも、これまで培ってきたコミュニケーション能力がしっかり身についていることを「資格」として形に残すという意義があります。

●アクティブラーニングの実践

また、授業の進め方としては、教員が一方的に教えるのではなく、協会から提供された教材を使って生徒自身にテーマごとのプレゼン(教員役)をさせたり、小テストを作り合ったりしています。コミュニケーションには「伝え方」が大切ですが、前に立って教える立場を経験することでその練習にもなります。こうした場数を踏むことが、結果的に大学受験の面接などでも活きると期待していますし、予期せぬ質問にも対処できる経験値につながっていると思います。

◆凛花コースで「コミュニケーションマナー検定」を取り入れた理由

 凛花コースは文系に特化し、「語学力を活かしてグローバルに活躍する女性」を目指していますが、最大の特徴は積極的にグループワークを取り入れ、誰とでもコミュニケーションが取れるようになることです。

探究活動の大会に積極的にエントリーしたり、海外から訪れる学生を受け入れて日本文化を伝えるワークショップを行ったり、修学旅行では海外へ行ったりと、実践的な取り組みを数多く行っています。中高生の間は学校という環境に守られて育っていきますが、卒業して大学生・社会人になれば急に「大人」として見られるようになります。

そのため、一人の大人の女性として、社会で周囲と適切な関わり方ができるようになるためにも、知識としてマナーを学ぶ意義は非常に大きいと考えています。

また、企業の方とお話ししても、「今の若い子でマナーを勉強している子は少ないから、学校でしっかり教えてもらえるのはありがたい」と高く評価していただいています。

◆検定合格に向けた学びによって、また合格後の生徒の変化

●卒業生からの感謝の言葉

試験終了後すぐに卒業式になってしまうので、合格による変化は、在学中はあまり見えないのですが、卒業生の言葉から実感しています。1期生の卒業生からは、「アルバイトやインターン先での電話対応やメールのやり取りですごく役立ったので、マナーの勉強をしておいて本当に良かったと思いました」と言われました。

●最も喜ぶのは保護者

そして何より大きいのが、保護者の方々からの喜びの声です。生徒がテキストを持って帰ると、冠婚葬祭のマナーなども載っているため「私が読まなきゃ。こういう本があるとありがたい」と喜ばれます。

家庭でもマナーを教えたい、しっかりしつけをしたいと思いつつ、時間がなかったり、ルールに迷ったりして教えきれない保護者の方も多くいらっしゃいます。そこにテキストという「信じられる確かな情報源」を学校が提供することで、親子の間で共有しやすくなります。保護者会で「コミュニケーションマナー検定の取得を目指します」とお話しすると、皆様とても興味を持ってくださいます。教員・生徒・保護者の「三方よし」の関係ができているからこそ、これまで継続して実施できています。

大谷中学校・高等学校
体育科主任・凛花コースリーダー 溝 将之先生

https://www.osk-ohtani.ed.jp/ 


コミュニケーションマナー検定とは?

よい人間関係を築くためのコミュニケーションのポイントに加え、社会人に必要なマナーの知識を確認し、それらの学習効果を評価、認定する資格検定です。

この検定が目指すゴールは、これまで『人と接するのが苦手』と感じていた方にも、自信を持って多くの人々と交流ができるようになっていただくことです。
そして、人とつながることの楽しさや喜びを通して、自己成長にもつながることを願っています。

検定取得のメリット

  • コミュニケーションのポイントを知ることで、周囲との関係を見直せる
  • マナーや社会人常識を知ることで、人生がより豊かになる
  • 資格を取得することで、自分に自信がもてる

ONLINEでいつでも、どこでも、誰でも受験でき、合格者には認定証が発行されます(有料)。学校で団体受験する場合はマークシート試験で、各校の希望に応じた日程で実施でき、合格者全員に無料で認定証を発行します。
この検定は、NPO法人日本マナー・プロトコール協会が実施しています。

詳しくはこちら

X Twitter

関連記事

メールマガジンを購読する

教育図書の最新情報をお届けします。

ご登録いただくと、教育図書の最新情報・オススメ情報をいち早くお届け!