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家庭科 NEWS

ひとり暮らしのポイントをご紹介! (第2回)


令和6年1月末発行、「ひとり暮らしドリル」について、前回の記事では、制作前アンケートの結果や、1〜3章までの魅力・ポイントをご紹介しました!
今回は、ドリルの4章からの内容についてご紹介します!

第1回はこちら

ポイント1  食生活からひとり暮らしを考える!


4章では、ひとり暮らしにおける食事について考えます。ワークの内容は、教科書で学ぶ基本的な知識を押さえつつも、ひとり暮らしの実情に即した内容になっています。P14の2問目のワークでは、生活費が底をついて何も買えないという状況をイメージしながら、1週間生き抜くための食材を選択することで、生徒は自身の価値観や生活についての意識を見つめることができます。P15のQ2では、大学生の1日の献立の例を見ながら、4つの食品群のうちどの群が足りないか考え、それを補える料理を選びます。

解説では、「お金がなくても簡単につくれる」料理のレシピや、新鮮な食品の見分け方、冷蔵庫に入れないものなど、実際のひとり暮らしで使える知識も満載です! ひとり暮らしでは、忙しくなってくると食生活は乱れがちになりますが、家庭科の食生活で学んだ「バランスのよい食事」の重要性を忘れずにいてほしいです。

ポイント2 生活の基礎を押さえて困りごとに対処する!

5章では、大きく分けて「衣生活」「生活上の手続き」「メディアリテラシー」の3点について扱っています。進学・就職を経て、スーツやおしゃれ着の洗濯、管理などは自分自身で行う必要が出てきます。P18では、取扱い表示の例を見ながら、洗濯や漂白、乾燥などの適切な組み合わせを考えたり、T.P.Oに合わせた服装を選んだりするワークに取り組むことができます。筆者は恥ずかしながら、家庭科編集部に入ってから「平服」の意味を知りました…。


P19では、医療費負担や国民年金など、共生社会や消費経済にかかわる問題に取り組むことができます。また、近年問題になっているSNSの炎上についても扱いました。生き抜くための実践的な知識として身につけていってほしいです。

ポイント3 ひとり暮らしの必須知識!


ドリルの最後に、「困ったときの相談先一覧」「交通事故に遭ったときの対処法」「社会保障一覧」など、「教科書には全部を載せられないけれど、覚えておくと困ったときに必ず役立つ知識」を盛り込みました。また、将来の資産形成の視点について考えるきっかけとなれば、と考え、2024年から制度が新しくなった「NISA」の仕組みについても図で紹介しました。

ポイント4 家庭科は人生の必修教科!

ここまで、ひとり暮らしドリルのポイントについてご紹介してきました。
このドリルは、高校卒業後の生活をイメージしながら取り組む副教材ですが、1〜2年生の家庭基礎・家庭総合の学習の総まとめや、長期休みの課題としてご活用いただけます。評価としては、クイズ形式の問題で「知識・技能」、生活をイメージするワークで「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」をはかることを想定しています。

制作していく中で感じたのは、「高校を卒業して、いつか学習から離れても、家庭科で身につけた知識や技能、考え方は、実生活の中で、生涯にわたって役に立つ!」ということです。
生徒の皆さんが、家庭科の教科書や、このひとり暮らしドリルを、卒業後の新生活に持っていって、充実した新生活を送られることを心より願っております。


「おとなドリル⑤ ひとり暮らしドリル」
発行日:2024年2月上旬
定価:190円(本体173円)
判型:B5判
製本:中綴じ
頁数:24ページ

第1回はこちら

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